「副業なんてやめとけ」という言葉、ぼくの周りでも何度か聞いた。
本業が忙しいのに時間の無駄、どうせ稼げない、詐欺に巻き込まれる。そういうことを、酒の席で先輩に言われたこともある。帰りの電車の中で「まあそうかもな」と思いながら、なんとなく納得できない部分もあった。
でもぼくは試した。5つ。全部。
試そうと思ったのは、「やめとけ」と言う人が実際に全部試してから言っているとは思えなかったから。試さずに言える言葉だと感じた。ならぼくが試して、自分の言葉で評価してみようと。
やめとけと言われながら試して、分かったことがある。「やめとけが正解だったもの」と「やめとけを無視して良かったもの」は、ちゃんと分かれる。それを今回まとめてみました。
この記事でわかること
- 実際に試した5つの副業の正直な評価
- 各副業の時給換算のリアル
- 副業を始める前の自己診断チェックリスト

「副業なんてやめとけ」と言われながら試した5つの副業
試した順番で書いていきます。時給換算を基準にして評価します。いくら稼いだかじゃなくて、1時間あたり何円だったかのほうが、副業の実態が見えると思ったので。
よくある副業の比較記事は「月収○万円可能!」という最高値を書くことが多い。でもそれって、熟練者や特定の条件の人が達成した数字で、初心者には再現性が低いことが多い。だからぼくは「試し始めた最初の段階での時給換算」で評価することにした。
①クラウドソーシング(文字起こし)
最初に試したのはクラウドワークスの文字起こし案件。
「初心者歓迎」「単純作業」と書かれていたので選んだ。60分の音声を文字に起こして、報酬1,200円。悪くないと思った。
でも実際にやってみたら、60分の音声を文字にするのに4時間かかった。難しい言葉が多かったのと、音声が聞き取りにくい部分を何度も巻き戻したから。
時給換算:300円。
まあ、続けて慣れれば速くなるのかもしれない。ただ、ぼくは4時間かけて1,200円という体験が、どうにも割り切れなかった。1回やって、やめた。
文字起こしがダメだったとは思っていない。ただ、「慣れれば速くなる」という前提で始めても、その「慣れるまでの期間」に挫折する人が多いんじゃないかと思う。ぼくがそうだった。
②アンケートモニター・ポイ活
次はアンケートサイトに3つ登録した。スマホの隙間時間でできると聞いたから。
最初の1ヶ月、移動中や昼休みにコツコツやった。合計で稼いだ金額は1,800円ちょっと。
費やした時間を大雑把に計算したら、5〜6時間くらい。
時給換算:300〜360円。
妻に話したら「それって時給300円じゃない?」と言われた。否定できなかった。
アンケートモニターを批判したいわけじゃないけど、会社員の副業として時間効率を考えると、厳しい評価にならざるを得ない。スキマ時間の「暇つぶしの延長」として使うなら分かる。でも「月3〜5万稼ぐ」という目標には遠い。
国民生活センターの調査でも、副業・内職に関するトラブルで相談件数が増加しているという報告がある。アンケートモニターを装った詐欺的な案件も存在するため、登録するサービスは信頼性を確認してから選んでほしい(ぼくが使ったのは大手の登録無料サービスで、詐欺的なものではなかったけれど)。
③ハンドメイド販売
妻が趣味でポーチを作っているのを見て、「これで稼げないか」と思った。
材料を調達して、子ども向けのポーチを10個作った。フリマアプリに出品。1個600円で売り出した。
2週間後、2個売れた。売上1,200円。材料費は1,500円かかっていた。
損失:300円。
価格設定を上げれば利益が出るかもしれない。でも、同じような商品が300〜400円で出品されていた。ぼくが作ったものと品質が同程度なら、600円は高すぎる。
「ハンドメイド副業」で稼ぐには、本当に品質が高いか、ブランド力があるか、相当な量をこなすかのどれかが必要だと感じた。週末に試しにやるレベルでは、利益を出すのは難しかった。
ただ、ハンドメイドで月に数万円稼いでいる人も確かにいる。ぼくが違ったのは、「既製品のクオリティと差が出せるスキル」がなかったこと。材料を調達して作ることは誰でもできるけど、「買い手が600円以上出す価値があるもの」を作るのは別の話だった。
④せどり(フリマアプリ転売)
YouTubeで見た「フリマ転売で利益を出す方法」を参考に試した。
家にあった不要品を出品して数千円稼いだ後、「仕入れに挑戦しよう」と思ってリサイクルショップで本を買い込んだ。8冊で合計2,400円。全部出品した。
送料と手数料を引いたら、手元に残ったのは1,900円。仕入れ費用を引くと500円の赤字。
損益:-500円。
不要品の処分なら意味がある。でも「仕入れて転売」は、送料・手数料の計算が難しくて、初心者には利益を出しにくい。1〜2回試して、やめた。
せどりを副業にしている人の多くは、「仕入れる商品のジャンルと市場価格を熟知している」という状態からスタートしている。ぼくは何も調べずに「安く仕入れて高く売れるはず」という雑な仮説で始めた。その甘さが結果に出た形だった。
部屋に在庫が増えて、妻に「また変なもの買ってきたの」と言われたのも、地味にきつかった。
⑤ブログ・アフィリエイト
5つの中で唯一、続いたのがこれ。
最初の3ヶ月は収益ゼロ。でも4ヶ月目にアドセンス審査が通って、少しだけ収益が出た。そこからじわじわ増えていった。
現在(3年目):月6〜8万。
他の4つと比較すると、最初の壁がダントツで高い。全くお金にならない期間が長い。でも「積み上がっていく」感覚があるのはブログだけだった。記事が増えるほど収益が安定していく感じ。
ぼくがブログを続けられた一番の理由は、「書くこと自体が嫌いじゃなかったから」だと思う。好きじゃないと、収益ゼロの期間を越えられない。
他の4つの副業との決定的な違いは、「積み上げがあるかどうか」だった。クラウドソーシングもアンケートも、やればやるだけ稼げるけど、「やめたら終わり」。ブログは「書いた記事は資産になる」という感覚があった。実際に、3年目の今も2年前に書いた記事が検索から読まれている。
ただ、ブログが全員に向くかというと、そうじゃない。書くことが嫌いな人、すぐ結果が出ないと続けられない人には厳しい副業だと思う。

結局「やめとけ」は正しかったのか
5つ試した結論を言うと、「半分正しかった」。
クラウドソーシング・アンケートモニター・ハンドメイド・せどり、この4つは、ぼくの生活リズムと時間効率を考えると「やめとけが正しかった」と思う。やってみて分かったことは多かったけど、お金という意味では全部マイナスか微妙な結果だった。
ブログだけは、「やめとけを無視して正解だった」。ただしこれも、向いてなかったら同じ結果になっていたと思う。
「やめとけ」という言葉は、相手の生活状況や向き不向きを知らずに言う言葉だから、正確じゃない。「ぼく」にとってのやめとけと、「あなた」にとってのやめとけは違う。
だからこそ、自分で確認するしかない。
ちなみに、総務省の「就業構造基本調査」によると、副業を行っている人の割合は年々増加傾向にある(総務省統計局参照)。副業人口が増えているということは、試して合う人・合わない人が出てきている、ということでもある。「やめとけ」と言う人も、「やって良かった」と言う人も、どちらもいる。
問題は、「自分はどっちか」を知らずに始めることだと思う。
副業を始める前に確認してほしいチェックリスト
5つ試して気づいたことを、チェックリストにまとめた。これを最初に知っていれば、4つは試さなくて済んだかもしれない。
自分の状況チェック
- [ ] 本業の繁忙期(残業増加・出張増加)の時期を把握しているか?
- [ ] 副業に使える時間が、週に最低3〜5時間確保できるか?
- [ ] 家族(パートナー・子ども)の時間を削ることへの了解を得ているか、または一人で判断できるか?
- [ ] 万が一全額損しても困らない「試用予算」を設定できるか?(副業の初期投資は赤字になることがある)
- [ ] 3〜6ヶ月以上、収益ゼロでも続けられるか?
副業の種類チェック
- [ ] 選ぼうとしている副業の「時給換算」を事前に計算したか?(1件の報酬 ÷ 作業時間)
- [ ] その副業を「好きか嫌いかに関係なく続けられるか」を確認したか?
- [ ] 初期費用が発生する副業の場合、「何件・何ヶ月で回収できるか」を試算したか?
- [ ] 副業の種類ごとに「収益が出るまでの時間」が違うことを理解しているか?(ブログは長い・単発は短い)
- [ ] 「副業が軌道に乗らなかったとき」に止めるか継続するかの判断基準を決めているか?
5問以上「はい」と答えられた副業なら、試してみる価値はあると思う。
「いいえ」が多ければ、副業の選択か、タイミングを見直したほうがいいかもしれない。

まとめ
「副業やめとけ」という言葉に従う必要はない。でも、やみくもに試すのも効率が悪い。
ぼくが試した5つの副業で、時給換算でプラスになったのはブログだけだった。他の4つは、試したこと自体に後悔はないけど、「最初から自分に合わないと分かっていれば時間を使わなかった」と思う。
副業を始めるかどうかの判断に「誰かの経験」は参考にはなるけど、それがそのまま自分に当てはまるわけじゃない。ぼくの経験でいうと、「時給換算で考えたことがなかった」「本業の繁忙期を全く考慮してなかった」という2点が、失敗を招いた要因だった。
チェックリストは、ぼくが最初に持っておきたかったものをまとめた。参考になれば。
何かひとつでも「自分も同じ状況だったな」と感じるものがあったなら、この記事を書いた意味があったと思う。
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