副業詐欺に遭った体験談を書く。被害額は43,000円。恥ずかしいし、書くかどうか正直迷った。でも、同じ手口で騙されそうな人がいるなら書く価値があると思って、全部話すことにした。
この記事を読むと、「どういう勧誘から始まるのか」「いくらまでやられるのか」「気づいてからどう動いたのか」がわかる。副業詐欺に遭った人の体験談として、かなり具体的な数字と心理状態ごと書いていく。

副業詐欺に遭うまでの話【最初はふつうの勧誘だった】
これが起きたのは、副業を始めて半年くらいのころだった。
当時はクラウドワークスで文字単価0.5円の仕事をコツコツやっていて、月2〜3万円を稼いでいた。本業の疲れと合わせてかなりしんどかったのに、収入は思ったより増えない。「もっと効率よく稼ぐ方法があるはずだ」と検索しまくっていた時期だった。
SNSのDMひとつから始まった
Instagramで「在宅ワーク」「副業月5万」というタグを眺めていたある日、フォロワー420人のアカウントからDMが来た。
「はじめまして。在宅でお仕事されてるんですか?もし興味あれば副業について一度お話しさせていただけませんか」
今思えば典型的な入り口だ。でも当時のぼくには普通の声かけに見えた。アカウントのプロフィールには「3児のママ。月8万在宅で稼いでます」と書いてあって、投稿には子どもとの写真が並んでいた。詐欺師っぽさが全然なかった。
返信してLINEを交換した。最初の話は完全に無料だった。「副業の始め方」「どんな仕事が向いてるか」という内容で、アドバイスを受けながら「ためになるな」とすら思っていた。
「最初の1万円だけ」という言葉の罠
LINEでのやりとりが1週間続いた後、「もっと具体的なノウハウを知りたいなら、私が使っているテキストがある」という話が出てきた。
値段は28,000円。
正直、高いと思った。でも相手はこう言った。
「最初の1ヶ月だけちゃんとやれば絶対に元が取れます。実際にぼくも(注:相手は女性だったがこの言い回しは正確に再現している)3週間で回収しました。もし合わなければ返金もできますよ」
「返金できる」という言葉と、1週間仲良くなった安心感が重なった。迷いながらも、クレジットカードで決済した。
手口の全容【気づいたらどんどん深みにはまっていた】
教材が届いた。PDFファイルで、内容を開くと「クラウドソーシングの始め方」「Instagramの運用方法」が書かれていた。ぼくがすでに知っていることばかりだった。
「これで28,000円は高すぎる」と思ったその日に、またLINEが来た。
段階的に金額が上がる仕組み
「テキストを読みましたか?次はサポートを受けながら実践するフェーズです。個別サポートプランが15,000円で受けられます」
断ろうとした。でも相手は「テキストだけじゃ実践は難しい。サポートがあってこそ意味があります」と言い続けた。
28,000円を払ってしまったから、ここで引き下がったら全部無駄になる——そういう気持ちが出てきた。いわゆるサンクコスト(埋没費用)というやつだ。「もう払ったんだから」という心理が「もう少し払えばなんとかなる」という判断に変わっていく。
追加で15,000円をカード決済した。合計43,000円。
追い詰められた心理状態
この43,000円の話、妻には一切言えていなかった。
我が家のカードの明細は妻が管理している。決済後の数日間、「クレジット明細が来る前に何とかして稼いで誤魔化せないか」と本気で考えた。
毎日LINEで「進捗はどうですか?」という連絡が来て、指示通りに動いてみたが、収益はゼロ。
そして3週間後、突然こんなメッセージが来た。
「このアカウントはサポート期間が終了しました。またの機会に」
それきり、既読にもならなくなった。
被害額と気づいた瞬間【43,000円で目が覚めた】
LINE既読スルーが続いた5日目に、ようやく「詐欺だ」と認めた。
認めるまでに5日かかったのは、認めたくなかったからだ。「もしかしたら本当にサポート期間が終わっただけかもしれない」という希望を持ち続けていた。馬鹿みたいだけど、そういうものだと思う。
被害額は合計43,000円。カード払いだったのがせめてもの救いだったが、妻への説明はどうするかと頭が痛かった。

消費生活センターに相談した話【電話一本の正直な記録】
「詐欺に遭ったらまず消費生活センター」——そういう知識はあった。でも実際に電話するのは勇気が要った。「騙された自分を認めて、他人に話す」ということが恥ずかしかった。
消費者ホットライン「188(いやや)」に電話したのは、既読無視を確認した翌日だった。消費者庁が運営する全国の消費生活センターにつながる無料相談窓口だ。
繋がったのは、かけ始めてから3回目だった。最初の2回は「現在電話がつながりにくい状況です」というアナウンスで終わった。午前10時台に電話したが込み合っていたようで、3回目は11時過ぎにかけてようやくつながった。
相談してわかったこと・できたこと
担当者に状況を話すと、落ち着いた声で対応してくれた。聞かれた内容は以下だった。
- 支払い方法(クレジットカード払いか、銀行振込か)
- 相手の連絡先・アカウント名
- 取引の日時と金額
- やりとりの記録(LINEのスクリーンショット等)
担当者から言われたのは「クレジットカード払いであれば、カード会社に事情を話してチャージバックを申請できる可能性があります。ただし決済からの期間や状況によります」ということだった。
返金は難しかった現実
カード会社に連絡した。ぼくのケースでは、クーリングオフの対象期間(8日間)をすでに超えていた。
それでも「特定商取引法上の問題がある可能性がある」ということで、カード会社が調査を行ってくれた。最終的に戻ってきたのは5,000円だった。
全額ではない。でも、相談しなければゼロだった。電話して良かったと思っている。
詐欺に遭った後に変わったこと【副業の選び方が180度変わった】
妻への話は、結局正直に話した。43,000円のカード明細が来る前に自分から話さないと、もっと信頼を失うと思ったから。
「なんでそんな怪しいの信じたの」と呆れられた。反論できなかった。
ただ、この経験で副業に対する姿勢が変わった。
初期費用がかかる副業には関わらない。 これがぼくの中での新しい基準になった。クラウドワークスでのライターの仕事は初期費用ゼロだ。ブログも初期費用ゼロに近い。せどりは仕入れコストがかかるが、それは「在庫」という形で手元に残る。「情報を買う」「教わる権利を買う」という形で先に金を払うのが危ない、という感覚が身についた。
副業を続けること自体はやめなかった。詐欺に遭ったからといって副業全体を否定したくなかったし、そこで諦めたら43,000円が完全に無駄になる気がした。
今思えば、この体験のおかげで「詐欺を見分ける目」が養われた。43,000円の授業料だったと言えば聞こえはいいが、できれば払いたくなかった出費だったのは間違いない。

まとめ:副業詐欺から身を守るために今すぐできること
副業詐欺の体験談をまとめると、こういう流れだった。
- SNSのDMで「副業を教えてあげる」という接触
- 1週間の無料トークで信頼関係を構築
- 28,000円の教材購入
- 「サポートが必要」と追加15,000円を要求
- 支払い後に連絡が途絶
当時のぼくが知っていれば良かったことを3つ挙げる。
1. 最初に費用が発生したら立ち止まる
副業で「教材」「登録料」「サポート費用」を最初に求めるものには近づかない。正当な副業は最初にお金を払う必要がない。
2. 返金保証を鵜呑みにしない
「返金できます」という言葉は、詐欺師が一番よく使う枕詞だ。返金の条件・期間・手続きを事前に書面で確認すること。
3. 被害に遭ったと思ったらすぐ「188」に電話する
恥ずかしいとか、大した金額じゃないとか思わずに電話する。クレジットカード払いならチャージバックの可能性がある。時間が経つほど選択肢が減る。詐欺・不審な取引への相談は警察の相談専用電話(#9110)も利用できる。
副業詐欺に遭っても副業をやめる必要はない。ただ、「何かを教わる」「情報を買う」形の副業には慎重に。
副業詐欺に遭ったらやること一覧
経験者として、動く順番をまとめておく。
- LINEのスクリーンショット・領収書・メールを全部保存する(証拠は早めに)
- 消費者ホットライン188に電話する(クレジットカード払いの場合、チャージバックの可能性を確認)
- カード会社に連絡する(チャージバック申請。電話番号はカード裏面)
- クーリングオフが使えるか確認する(一般的に8〜20日以内。ただし適用条件あり)
- 二次被害に注意する(「被害を回収できる」という詐欺が次に来ることがある)
ぼくの場合、カード会社への申請で5,000円が戻ってきた。全額ではないが、何もしなければゼロだった。諦めずに動くことが大事だと実感した。
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